投稿者:
K.S様 (東京都)
使用ギター:
Fujigen NCST(Custom)
AIRCRAFT AC-7(Custom)
Crews Maniac Sound Aristoteles
使用アンプ:
Roland JC120
Fractal Audio Systems AXE-FX Ultra
好きなギタリスト:
増崎孝司
石成正人
鈴木健治
マイケル・トンプソン
演奏ジャンル:
POPS、ROCK
レビュー:
鈴木健治さんをきっかけにしてOvaltoneさんにたどり着きました。
スタジオやライブハウスに常設してあるアンプと組み合わせてプリアンプのように使える
多チャンネルのペダル型の歪み/プリアンプをいろいろ探していたところ、これが急浮上しました。
よくある「クリーン/ドライブ」の2チャンネル仕様ではなく、同じチャンネルを
2つ用意した「2系統」使用のハイゲインペダルです。
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まず弾いてみたときの印象は、「出音が速い」こと。弾いた瞬間に音が前に飛び出す。
当たり前のことのようですが、他の歪みペダルよりも明らかに速いと感じました。
さらに、深めに歪ませてもキレが良く、音が引っ込まないので速いパッセージも
一つ一つの音がくっきりと聞き取れました。
そして、今まで試したどのハイゲインペダルよりもローノイズということ。
「歪みペダル探究の旅はこのペダルで終結する」と素直に思いました(笑)。
落ち着いたところで、いろいろなセッティングを試してみましたが、
タッチに対するレスポンスが実に秀逸です。ピッキングや左手の指運びによって音の表情が
自在に変化するのは実に楽しいです。かなり深く歪ませても弾き方によって
表情が変化します。当然ギターの個体差もしっかり音に表れます。
Shape・MidSW・Bottom・プレゼンスなどのEQが強力に効くので、スウィートなODサウンド、
ジャキジャキのクランチサウンド、怒涛の(それでいて整っている)ハイゲインサウンドまで、
チューブアンプで得られる歪み方はほぼ全て高次元で網羅していると言えます。
どのゲインレンジでもEQの効かせ方でかなり音色を追い込めますので、ゲインレンジごとに
決まりきった単調な音になる心配もありません。
サイトの鈴木健治さんによる試奏動画では使われていないセッティングも含めて
幅広い音作りが可能です。チャンネル切替のスイッチングノイズが皆無になっているのも
嬉しいことです。
なお、ゲインブースターも内蔵されているので、歪みきった伸びやかなサウンドが
欲しいときもブースターを別途増設する必要がなく、これもシステム全体のローノイズ化に
一役買っているのではないかと思います。
また、プレゼンスコントロールは2系統まとめたトータルプレゼンスですが、
音のキャラを変えずにクッキリさせたり柔らかくしたり、という音の輪郭づけを
コントロールできますので、トーンをいじると音が変わってしまうときも、
これによって音の存在感をイメージどおりに保つことができます。
クリーンサウンドを弾くときも、常時ONにしておいてごく軽く歪ませる(ギター側の
Volをフルにした状態でわずかに歪むくらい)にしておくと、ハリがありタッチによる音色変化の
幅が広いクリーンサウンドを手元でコントロールできます(私の好きな使い方です)。
これらの機能を活かすうえで最もありがたいことが、「同じチャンネルを2系統揃えている」
ということです。通常の「クリーン/ドライブ」2チャンネル仕様では出来ないことですが、
歪み具合やトーンを変えたセッティングを2つ行き来することが2系統仕様では可能です。
アンプを2台積んで音色ごとに切り替えられるのと同じことで、とても自由度が高まります。
私はこのOD-FIVE2 XTREMEを「歪みペダル」ではなく「プリアンプ」とイメージして
使っています。
ハイゲインを売りにしたペダルではありますが、ローゲイン・ミディアムゲインを
しっかり使いこなすように意識すると、本当に用途の広いペダルであると実感
させられます。モダンエレキギターサウンドを求める全てのギタリストに試して欲しいです。
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【希望すること】
サウンド的には言うことなし、です。個人的な希望を言えば、OD-FIVE2 XTREMEを
3系統仕様で作っていただければさらにアンプ的な使い方がしやすくなると思います。