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Regal Place インタビュー about -鵺-NUE DEVICE

無事製品化を迎え、モニター販売においても多くの方に音色の変化を実感して頂きました -鵺- NUE DEVICE ですが、今回はその着想の原点となったリーガルプレイスにて、代表 野口幸三氏へのインタビューという形で開発ストーリーをお伝えできればと思います。

Ovaltone : いつもギターをご機嫌な状態にして頂いてありがとございます。最初に佐々木秀尚さんにご紹介頂き、また1年半位前から定期的にお世話になっております。

 今回はリーガルプレイスインタビューという事で、まずは簡単な自己紹介をおねがいします。

野口さん:ギターテック、リーガルプレイスの野口です。
経歴としては僕が高校生の時、17歳の時から楽器屋(※タハラ楽器)さんに入り、ギターのプレイもしていましたけど、楽器をいじるのが好きだったので…
たぶん18、19の頃からだんだんギターをちゃんといじるようになって、色々な支店(※タハラ楽器の支店:町田店、町田店新店舗、吉祥寺店、藤沢店、本厚木本店)を転々としつつお客さんのギターを直すようになって、それで気に入って頂けていたので、じゃあもっとやろうもっとやろうって色々やっていて。その頃から野口セッティングとかいう勝手な名前がついていたこともあったんですけど(笑)

Regal Placeでは調整の間にご飯を作ってくれることも・・・調理中の野口氏
2002年からL.A.に
で、2002年からL.A.に修行というか丁稚奉公というか・・・
当時在籍していたタハラ楽器でやっていた、Varita Guitar USAを企画するということで、最終的には
国内のトップスタジオミュージシャンに使ってもらう楽器を作るために行って・・・

その後、結局、そのミュージシャンのモデルを作ってしまっていたので、その方々のテックというかギター周りを見たり、という事をやって、そこから始まって、さらにまた別の国内トップスタジオミュージシャンに紹介してもらって、そこでギターテックがいないかということだったので、その現場での仕事をして、そこの現場でまたローディー達から話が来て、今度はまた別の有名バンドの現場をやったりとか。

そこからどんどん派生して、もう今はいっぱい色んな方たちの現場でやっています。
今の状況としては自分のお店をやりつつ、ギターテックで色んなミュージシャンのものをケアしているという感じですね。それが続いている感じです。

基本的にアメリカの人たちは300ドルのギターを買って来て、500ドルでフルセットアップして、2000ドルの音にしようっていう感覚だったんですね。

擦り合わせをする野口氏。フルセットアップでは欠かせない工程。


指板、フレットを磨き上げる野口氏。

Ovaltone: なるほど、凄いですね・・・L.A.ではパフォーマンスギターで修行されたという事ですが

野口さん: そうですね、アメリカにちょっと行って全部覚えて来いという事で行ったんですね(笑)
アメリカに行く前は僕、擦り合わせができなかったんですよ。で、擦り合わせがどうしてもちゃんとした人に教わらないとお客様の物は触れないと思って、ナット交換までだったんですね僕の中では。あとは、基本的に今うちでやっているオーバーホールまでがメインだったんですけど、アメリカに行って基本的なそういうものを全部覚えて来たので、擦り合わせから何から全部やるようになってフルセットアップという。

まあフルセットアップもアメリカでやっていたんですね。アメリカでフルセットアップぎっちりやると500ドルくらいだったんです、その頃。基本的にアメリカの人たちは300ドルのギターを買って来て、500ドルでフルセットアップして、2000ドルの音にしようっていう感覚だったんですね。
日本みたいに2000ドルのギターを買ったり3000ドルのギターを買ったりというのは無いと…
なのでそういう所で揉まれてきたというのもあります。

フルセットアップはアメリカから帰ってきて、日本人に合わせた感じにして、それで気に入って頂けたのが良いのかなと思っています。

Ovaltone: リーガルプレイスに来るようになってからすっかりギター本体の魅力に取りつかれてしまいまして…セッティング次第で鳴り、音色、弾きやすさがここまでは違うなんて、こちらに伺う以前は思ってもいませんでした。

野口さん: 同じギターが修理、セッティングだけでそこまでいくとは思っていなかったわけですね。

Ovaltone: はい、そうです。衝撃的でした。

野口さん: ギター自体はまあ、どんなギターも僕からしてみれば伸びしろはあるっていう感覚で、そのパフォーマンスを上げるために僕がちょっと仕事をしているという事ではあるんですけど…
あと出来るだけバランスをよくするというのが、田中さんたちも気に入って頂けているフルセットアップというものですね。
フルセットアップはアメリカから帰ってきて、日本人に合わせた感じにして、それで気に入って頂けたのが良いのかなと思っています。

エレクトリック部分の半田とコンデンサによるチューニング

Ovaltone : すり合わせや全体のバランス調整等、まず生鳴りに関する部分だけでもいつも驚きの結果になるのですが、そこからさらに感動したのがエレクトリック部分の半田とコンデンサによるチューニングでした。
この部分にこだわり始めたのはリペアマンとしてのキャリアの最初の頃からだったんでしょうか?

野口さん: アメリカから帰ってきてからです。向こうでは木工と組み込みと。僕はアメリカにいるときは実はビンテージコンデンサにあまり興味が無くて、「ふーん」くらいだったんですよ。
日本に帰ってきて、色々なお客さんたちとコンタクトをとるようになって、そうすると中にはある意味「コンデンサオタク」のお客様もいて、で、その人たちとああでもないこうでもないと、あれをつけたらこうなる、これをつけたらこうなるという経験値をどんどん増やしていって、それでは飽き足らずに結局自分で色々と探して、試して、聞いてもらってというのを続けて今に至る感じです。


大量のコンデンサストック


ビンテージハンダも沢山

コンデンサオタクの人たちは半田オタクでもあるので、半田もいっぱい試しました(笑)
Ovaltone: なるほど、コンデンサはそんな感じで・・・半田の方はどうだったんでしょうか?

野口さん: 半田もだいたい同じ並行している感じではあります(笑)
コンデンサオタクの人たちは半田オタクでもあるので、半田もいっぱい試しました(笑)で、試して試して、まあやっぱりその中での良いところを、まあ良いだけでもないので、結局色々なものを覚えて使っていって、本当にやると結局混ぜたりというのもあんですけど…ギターに関してだけでなく、半田の場合は今度ケーブルも作るような感じで、ケーブルでのサウンドメイク、そういうのもやっていっていた感じですね。

Ovaltone : 相当の種類の半田とコンデンサを試されたと思うのですが、半田に関してはマイクロクラック半田はとにかく素晴らしい音色ですね。

自分もこちらにお邪魔するようになって、開発におけるハンダの重要性が以前によりも強まりました。
エフェクターでも最後のチューニングで、いくつかの個所を持って行きたいキャラクターのハンダに入れ替えたりして、希望のサウンドに寄せていくことが多くなりました。

野口さんは現在は何種類くらいの半田でチューニングをしているのですか?

野口さん: 半田の種類は現在はメインで使っているのは3種類で、もっとカスタムしていきたいという事になってくると10種類くらい使って、まあ半田を混ぜたりするので結局組み合わせや比率で無限になってくる感じです。

ただ普段それをあまりやらないのはクオリティーコントロールという観点で、混ぜると同じ音を2つ作れないので、普段は基本3種類でフィックスさせている感じです。

マイクロクラックの半田は、半田を探している上で色々なものを試して、やっぱりその中で掘り出してきたものではあるんですよね。

マイクロクラックを施したケーブルに使用するプラグ。MICRO CRACK ロゴはその独自技術がインストールされている事を証明している。


Ovaltone DARK HORSEケーブルとマイクロクラックのコラボレーションも実現している。

Ovaltone : 半田って本当に変わりますよね、特にパッシブ領域では顕著だと思います。マイクロクラックについて詳しく教えてください。

野口さん: マイクロクラックの半田は、半田を探している上で色々なものを試して、やっぱりその中で掘り出してきたものではあるんですよね。

もう今、色々とRohs問題だったりとかもあり、作れないものになってしまったので、手に入れるのが物凄い困難になってきてしまったんですけど、その中でもさらに入手困難なメーカーのもので、それは上手く出会えたのは凄く良かったです。

他のものに比べると全然音域から音質から違うので・・・

Ovaltone: 確かに・・・

野口さん: 無くなると困っちゃいますね。

あれは本当にうちの中でもすごい唯一無二というか、大切なコンデンサですね。

Ovaltone : それでは次にコンデンサについて伺いたいのですが、こちらも物凄い量のストックですね。やはり気になったら仕入れてしまうのでしょうか…?

野口さん: コンデンサも、もう当たり外れもいっぱいあり、気になったら買ってしまうのもあるんですけど、やっぱりまあ5個10個買ってもしょうがないので、100個くらい買うってなるとお金もかかってましたけど・・・
でもまあ、当たり外れというよりもギターに合う合わないがあるので、同じものでも。なので無駄にはしていない感じです。

Ovaltone : ついつい気になる部品は買ってしまいますよね(笑)
では、いよいよ本題といいますか、自分が感動して-鵺-NUE DEVICE の着想のもとになったコンデンサである、野口さんの秘蔵のコンデンサについて教えてください。もちろん秘蔵なので詳細というよりも音のキャラクターなどについてを中心にお願いします。

野口さん: あれは特にコンデンサオタクな人と色々話をしていて、それもまたコンデンサオタクな人の秘蔵ではあったんですけど(笑)

まあそのあとで僕も探して手に入れには行ったんですけど、あれが他のものに比べるとやっぱり無駄なところがないコンデンサでしたよね。

ただ、入手に関しては今色々制約があって作れない物でもあるので、うーん、あれは本当にうちの中でもすごい唯一無二というか、大切なコンデンサですね。

それが -鵺-NUE DEVICEでその悩みがある意味解消してもらえているので、非常に今後が明るいなと思います(笑)

鵺デバイス

Ovaltone : 鵺デバイスでは、このコンデンサそのものを完全にはコピーできてはいないと思うのですが、自分のツボにささったニュアンスの部分は、再現することができたのではないか、と思っています。

野口さん: 色んなキャラというかコンセプトが機種ごとにあるので、物凄い発展すると思うんですよね。良いところが凄い出ているので。僕にしてみればキッチリ出ていると思うんですよ。あのコンデンサの特有の美味しい部分、他のコンデンサにない部分が出ていると思います。

Ovaltone: 鵺デバイスでも、半田でのチューニングが最後の追い込みの決め手になりました。本当にこの1年半のリーガルプレイスで学んだことが反映されたものになったと思います。
個人的にはですが、鵺デバイスを搭載した状態で電装系にマイクロクラックして頂くと自分にとってはもう完璧になります。


-鵺- NUE DEVICE


鵺デバイスをマイクロクラックで取り付ける野口氏

どうしても上の一番おいしい「ここが出ていれば」というところが無くなっちゃっていたりするので…それをちゃんと出そうとしているものがマイクロクラックなので。
野口さん: そうですね、レンジが広がる、レンジが広がるというか、ギターのアッセンブリ自体のパフォーマンスが100%になるというか。

なので、ビンテージコンデンサや鵺デバイスを使う方たちは、そういう風にしてから使ってもらった方がより一層良さが出るので、まあ、マイクロクラック自体やっていただいた方が良いかなとは思います。

Ovaltone: 例えば有名なkester44等で付けても見えない部分というのは出てきてしまうと…


サウンドチェックはMATCHLESS Lightning 15。ギターの情報を余すところなくモニター出来るようにとの配慮が感じられる。
野口さん: そうですね、どうしてもパフォーマンスが100出るはずという考え方で行くと、やはり100出ないものの方が非常に多い世の中ではあるので…

どうしても上の一番おいしい「ここが出ていれば」というところが無くなっちゃっていたりするので…それをちゃんと出そうとしているものがマイクロクラックなので。

全部どなたも同じ技術で、同じように技術を間引かずやっているので

Ovaltone : 最後に、リーガルプレイスに行ったことがない、という方のために伺いたいのですが、ちょっと普通のリペアショップとは違うところがありますよね?

営業時間や要予約であることなど…ご飯が出てきたりとか(笑)

自分も佐々木さんに紹介してもらわなければ最初の一歩が踏み出せなかったと思うのですが、プロオンリーであるとか一見さんお断りというわけでは無いですよね?

野口さん: そうです。基本的にはそういうスタンスではないです。
なぜアポイントメントが必要かというと、結局のところうちでやって頂くというのが、納得して帰って頂きたいという所もあって。

1日2組とかにしてしまうと今度、前のお客様が焦って妥協されてしまうというような部分があるので、そこはどれだけ時間をかけてもお客様の使って良いだけの時間があれば、金額ではなくて、ちゃんと納得して楽しんで帰って頂きたいでのアポイント制にしています。

そのアポイント自体はどなたでも取れるので!

L.A.の時でもそれこそホームレスの人がいて、その人もセットアップから修理からしていましたけど、かと思うとイーグルスのジョーウォルシュとかも来ていましたし、そういうホームレスからイーグルスまでというような感じで(笑)

日本だと僕の場合は女子高生から国内トップスタジオミュージシャンまでみたいなところまで、全部どなたも同じ技術で、同じように技術を間引かずやっているので、そこはだからいくらでも言ってもらえればと思っています。

来られない方たちには送りででも出来るので、という所ですね。どうしたいというのも言って頂ければそこにできるだけ寄せていって、みたいな感じで出来るので。まあ来てもらうのが一番良いんですけど、来れない方は送りでもできなくは無いです。
基本的に敷居は一番低いところにしているのでどなたでも大丈夫です!

Ovaltone : 本日はお忙しいところありがとうございました!

Regal Place
ホームページ  http://www.regal-place.jp/
所在地  〒252-0302  神奈川県相模原市南区上鶴間六丁目27-5-2F
(小田急江ノ島線「東林間駅」東口より徒歩3分)
営業時間  22:00〜26:00
定休日  木曜日
※ 基本的にアポイントメントオンリーです。 ご予約の上ご来店ください。
 Regal Place代表 野口幸三氏インタビュー ダイジェスト動画 


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